侘びしき思いに一人悩む
恋しや故郷(ふるさと)懐かし父母(ちちはは)
梦路に辿るは故郷(さと)の家路
更け行く秋の夜旅の空の
窓うつ岚に梦も破れ
遥(はる)けき彼方に心迷う
恋しや故郷懐かし父母
思いに浮かぶは杜(もり)の梢(こずえ)
遥けき彼方にこころ迷う)
——犬童球溪《旅愁》